巻頭言
もっとリハビリテーションの夢を語り合いませんか
千田 益生
1
1岡山大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.685
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109822
- 有料閲覧
- 文献概要
入院中の高齢患者を見ていますと,独居の方や家族がいても遠隔地であったり受け入れを拒否する場合などで退院が困難な場合をよく経験します.早く退院させるべきという社会的方針があり,一方で患者本人にとってみれば病院にいるほうが快適であるという事実や,家族の受け入れが困難であるといった状態があります.そこでどのように対処するかという問題に,他の病院に転院させたり,施設に行かせたり,家族を説得して自宅に帰したりします.今ある制度の中で可能であり,医療従事者が「患者にとって最も適した場所であると考える」場所に落ち着かせようとします.現実には,快適に過ごせて,費用も手頃でという施設は少なく,あっても何百人待ちという状況です.自宅に帰ると介護保険があるからそれでいいのだとする意見もあります.でもリハビリテーション医の皆さん,近い将来,私たち自身も患者としての立場になるのです.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.