Japanese
English
特集 廃用性筋萎縮を解明する
下肢筋の組織学的変化と臨床応用
Histochemical changes in disuse muscle atrophy.
立野 勝彦
1
Katsuhiko Tachino
1
1金沢大学医学部保健学科
1Dopartment of Health Science, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
廃用性筋萎縮
,
後肢懸垂
Keyword:
廃用性筋萎縮
,
後肢懸垂
pp.113-117
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109684
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はじめに
筋力低下は,リハビリテーション診療を行ううえで重要な問題である.そのなかでも廃用性筋萎縮はリハビリテーション医学において重要な課題としてとらえられてきているが,その予防と治療については実に曖昧な点が多い.廃用性筋萎縮がみられる状況にはつぎの要因があり,その一つは筋の固定によって生じるもので,いわば局所的要因による場合と,もう一つは全身的な活動性の低下による場合の2通りに大別できる.
筋萎縮のモデルには,ギプス固定や筋腱切離によるある一定の筋の萎縮や,長期臥床あるいは安静状態に類似したモデルとしての後肢懸垂(hindlimb unloading;HUと略,hindlimb suspension;HSとも言う)1)があり,本文ではHUによる筋萎縮を主に述べる.
筋萎縮の病態像については,疾患の範疇に入らないためか,病理学的に深く究明されているとは言い難い.また,廃用性筋萎縮の回復についても未だなお種々の意見があり,負荷,電気刺激,筋の伸張など多々あるが定まったものはなく,必ずしも臨床に結びついているとは言えない.
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