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報告
伸張刺激負荷量の相違によるラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮抑制効果への影響―筋線維タイプ別組織化学的検討
Inhibitory effect of stretching on muscle disuse atrophy in different fiber phenotype under different loads of stretch in rat soleus muscle:a histological study
木村 繁文
1,2
,
山崎 俊明
3
,
西川 正志
1,4
Shigefumi Kimura
1,2
1金沢大学大学院医学系研究科
2芳珠記念病院
3金沢大学医薬保健研究域
4整形外科米沢病院
キーワード:
廃用性筋萎縮
,
伸張運動
,
負荷量
Keyword:
廃用性筋萎縮
,
伸張運動
,
負荷量
pp.721-727
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101738
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要旨:本研究の目的は,体重をもとに負荷量を規定し,伸張刺激負荷量の相違と筋線維タイプ別の萎縮抑制効果,および筋損傷発生頻度の関係を検討することである.8週齡のWistar系雄ラット37匹のヒラメ筋を対象とし,これらを対照群(n=9),2週間の後肢懸垂にて廃用性筋萎縮を作製する群(HS群,n=8),2週間の後肢懸垂期間中にラットの体重相当の負荷量にて伸張運動を実施する群(A群,n=11)と,体重の1/3相当の負荷量にて伸張運動を実施する群(B群,n=9)の4群に分けた.伸張運動は,膝関節を90°に固定し,規定した負荷量にて足関節のみを背屈する装置を作製し,1日20分,週5日行った.その結果,伸張運動を実施した群では筋線維横断面積において完全ではないが萎縮抑制効果が認められ,B群よりもA群のほうがその効果は大きかった.また,B群においてはタイプⅠ線維にのみ萎縮抑制効果が認められた.壊死線維発生頻度においてはA群のみ対照群と比較し有意に高値を示した.以上より,萎縮抑制効果と筋損傷の発生頻度は伸張刺激負荷量に依存すること,さらに筋線維タイプによる伸張刺激への反応の相違が推察された.
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