Japanese
English
特集 神経難病の在宅リハビリテーション
在宅ケアシステム―筋萎縮性側索硬化症を中心に
Home care system for the patients of neurological intractable disease (focusing on home mechanical ventilation of ALS patients).
林 秀明
1
,
須田 南美
1
Hideaki Hayashi
1
,
Minami Suda
1
1東京都立神経病院神経内科
1Tokyo Metropolitan Neurological Hospital
キーワード:
在宅ケアシステム
,
地域医療連携体制
,
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
在宅呼吸療法
,
「新しいALS観」
Keyword:
在宅ケアシステム
,
地域医療連携体制
,
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
在宅呼吸療法
,
「新しいALS観」
pp.985-992
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109615
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はじめに
神経難病の在宅ケアシステムを考える時には,神経難病の代表である筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)患者のように,呼吸筋麻痺,球筋麻痺のために呼吸器装着や経管栄養・胃瘻の医療処置を必要とし,またすべての面で介助が必要な状態であっても,在宅療養ができるような在宅ケアシステムを考えていくことが大切と思われる.(以後「在宅ケアシステム」はこの意味で用い,神経難病はALSに代表して述べる.)
現在,ALS患者がいつでもどこでも在宅呼吸療養ができるような在宅ケアシステムは確立されていない.神経難病に先進的に関わっている病院が中心となり,地域医療連携システムを軸に,患者・家族の居住している地域コミュニティ毎に,患者・家族や地域の状況に依存した地域支援ネットワークを構築していく試みが行われているのが実情と言える.しかし,その時々にできる範囲で,その地域に合った形で試みられてきたここ10数年にわたるALS在宅呼吸療養の実践の積み重ねは,神経難病患者と家族を囲む地域コミュニティの神経難病に対する認識を変え,社会のALS在宅呼吸療養への認識を変える力となってきたのも事実と言える.
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