Japanese
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特集 リハビリテーションにおけるQOL
臨床研究と応用
Clinical study and application on QOL.
萬代 隆
1,2
Takashi Mandai
1,2
1QOL研究会
2国立循環器病センター
1Japanese Society of Quality of Life Research and National Cardiovascular Center
キーワード:
クオリティオブライフ(QOL)
,
QOL質問表
,
臨床応用
Keyword:
クオリティオブライフ(QOL)
,
QOL質問表
,
臨床応用
pp.699-707
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109551
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はじめに
近年の医学の急速な進歩のなかで,重篤な疾患の治療や延命が可能となり,わが国は世界有数の長寿国となった.反面,近年の,数値で評価される量的拡大・効率最優先の近視眼的価値観のもと,経済的・物質的かつ直接的・短絡的メリットの追求に走った日本人は,全世界に誇るべき日本人の特質を見失う結果に至った.ITに代表される先端技術は,テクノロジーとしてわれわれ人間に福音をもたらしていることは事実であるが,そのために理念や価値観・文化までもが画一的で強大な経済力とプロパガンダを背景とした盲目的グローバルスタンダード化の前に,無力にも崩壊しつつあるように感じられる.
これら量から質への発想の転換はquality of life(以下,QOL)と表現されているが,1ifeの理念に広範かつ深淵な内容が含まれており,各個人の立場において各々問い直す必要があると考えられる.とりわけ医療においては,自然科学的な学問技術の進歩は非常に重要な要因であるが,他方,いかに技術設備その他,物質的要因が充足されたとしても,究極的には人間が人間として人間により癒されない限り,医療としては未完成であると考えられる.
「サイエンス」と「アート」,「先端医療」と「全人医療」,その他多くの対比軸から21世紀の医療におけるQOLの高い医療のあり方を真剣に検討する必要がある.
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