今月の主題 フローサイトメトリー―最近の進歩
総説
フローサイトメトリーの臨床応用
佐々木 学
1
Manabu SASAKI
1
1東京大学医学部附属病院病理部
キーワード:
臨床応用
,
細胞表面抗原
,
核DNA量の解析
Keyword:
臨床応用
,
細胞表面抗原
,
核DNA量の解析
pp.1110-1116
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903437
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フローサイトメトリーの技術は生物学,免疫学など幅広い分野で応用され,モノクローナル抗体の作製や新しい蛍光色素の開発とともに臨床検査医学においても発展が目覚ましく,精度の良い,再現性の高い技術として認められている.その臨床応用において,細胞表面抗原の検索では欠くことができず,白血病や悪性リンパ腫などの診断に役だっている.また,悪性腫瘍では,しばしば染色体異常や盛んな増殖が認められることから,フローサイトメトリーを用いてaneu-ploidyの検索や細胞周期の解析など,腫瘍の悪性度の客観的な評価が行われている.その他,細胞機能検査,輸血や臓器移植における交差適合試験などその臨床応用は数限りなく,本稿では主な臨床応用について文献的に概説した.
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