Japanese
English
症例報告
歩行が自立した左大腿骨頸部骨折と右下腿切断の高齢重複障害の1症例
Rehabilitation for the elderly person with the dual disability of the right trans-tibial amputation and the left femoral neck fracture: a case report.
杉山 宏行
1
,
美津島 隆
1
,
広川 晃彦
1
,
中野 正人
2
,
蜂須賀 研二
3
Hiroyuki Sugiyama
1
,
Takashi Mizushima
1
,
Teruhiko Hirokawa
1
,
Masato Nakano
2
,
Kenji Hachisuka
3
1富山労災病院リハビリテーション科
2富山労災病院整形外科
3産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Toyama Rosai Hospital
2Department of Orthopaedic Surgery, Toyama Rosai Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
高齢者
,
大腿骨頸部骨折
,
下腿切断
,
歩行
,
重複障害
Keyword:
高齢者
,
大腿骨頸部骨折
,
下腿切断
,
歩行
,
重複障害
pp.557-559
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109514
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はじめに
高齢者の大腿骨頸部骨折の治療成績は手術手技やリハビリテーションの進歩により改善したが,現在でも高齢者では術前の歩行レベルに到達できなかったり,骨折を契機に寝たきりになることが多い.一方,高齢者の下肢切断も,術後管理,義足装着,訓練実施に難渋することが多く,義足を作成して訓練室で歩行ができても実用レベルに至らないことも多い.さらに,痴呆,脳血管障害,内科的疾患が合併すれば機能予後は不良であり,また大腿骨頸部骨折と下肢切断が併存すれば歩行の自立は一層困難となる.
今回われわれは,78歳時に右下腿切断,82歳時に左大腿骨頸部外側骨折を受傷し,いわゆる高齢重複障害となったが,集中的訓練により実用的歩行を再獲得した症例を経験したので報告する.
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