Japanese
English
症例報告
右下腿義足歩行が可能になった高齢糖尿病性壊疽患者の1例
Rehabilitation for the elderly person with the right trans-tibial amputation for the foot necrosis induced DM:a case report.
渡邉 祐美子
1
,
近藤 泰二
1
,
土川 拓也
2
,
宮本 竜兵
2
,
大石 強
3
,
美津島 隆
4
Yumiko Watanabe
1
,
Taiji Kondou
1
,
Takuya Tsuchikawa
2
,
Ryuhei Miyamoto
2
,
Tsuyoshi Oishi
3
,
Takashi Mizushima
4
1弥生病院リハビリテーション部
2同整形外科
3遠州総合病院整形外科
4浜松医科大学付属病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation Medicine, Yayoi Hospital
2Department of Orthopaedic Surgery, Yayoi Hospital
3Department of Orthopaedic Surgery, Ensyu Hospital
4Department of Rehabilitation, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
下腿切断
,
高齢者
,
糖尿病性壊疽
,
義足歩行
Keyword:
下腿切断
,
高齢者
,
糖尿病性壊疽
,
義足歩行
pp.575-578
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100121
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はじめに
一般に80歳以上の高齢者の処女義足歩行の獲得はきわめて厳しいとされている1).高齢者の場合,術後管理,義足装着,訓練実施に難渋することが多く,義足を作成して訓練室で歩行ができても,実用レベルに至らないことも多いからである.また,とくに糖尿病を罹患している場合は,将来にわたって創部の管理が重要であり,義足の装着をはじめからあきらめてしまうことも多い.また,延命のみを目的として切断を行う場合も少なくない.
以前は,80歳以上の高齢者は活動性もあまりなく,わざわざ創部感染などの危険を冒さなくても,車椅子作成で十分対処可能であった.しかし最近は,高齢化社会を反映して,80歳以上の高齢者でも十分家事なども行えるほど活動性も高い人も多くなってきている.今回われわれは,足部に糖尿病性壊疽を罹患した83歳の高齢女性が,右下腿切断術を施行され,その後約2か月半を経過してPTB義足を作成し,さらに義足の装着後2か月で杖歩行を獲得した症例を経験したので報告する.
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