症例報告
一側下腿切断を含む重複障害をもった症例のリハビリテーション
宮坂 由佳理
1
,
藤沢 美由紀
1
,
松田 英希
1,2
,
山中 崇
1,3
Miyasaka Yukari
1
1倉敷リハビリテーション病院
2現:川崎リハビリテーション学院
3現:川崎医科大学附属病院
キーワード:
一側下腿切断
,
重複障害
,
義足歩行
,
高齢者
Keyword:
一側下腿切断
,
重複障害
,
義足歩行
,
高齢者
pp.687-690
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101011
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近年,下肢切断の原因として各種の血管疾患が増加している.さらに,高齢社会の到来とともに多くの合併症をもつ下肢切断例も増えている.高齢下肢切断者の一般的な問題として,切断端を含めた残肢の問題,心肺機能の問題,筋力の問題,疾患による内部障害,中枢神経障害,末梢神経の合併症などがある.そのため義足装着や,歩行練習は難渋することが多く,実用的な歩行に至らないことも多い1).
今回,筆者らは,閉塞性動脈硬化症(以下,ASO)による一側下腿切断に加え,両大腿骨頸部骨折による人工骨頭置換術,慢性閉塞性肺疾患(COPD)である肺気腫による在宅酸素療法など,重複した障害をもちながら,義肢に特別な工夫を加えることで,ほぼ自立した義足歩行を獲得し,さらに日常生活動作(以下,ADL)能力,精神活動が向上した症例を経験したので報告する.
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