Japanese
English
症例報告
義足着脱と歩行が自立した高齢四肢切断の1症例
A case of elderly quadruple amputation succeeded in walking and getting on and off prostheses.
上田 薫
1
,
松嶋 康之
2
,
内田 真紀子
2
,
山本 満
3
,
梅津 祐一
4
,
蜂須賀 研二
2
Kaori Ueda
1
,
Yasuyuki Matsushima
2
,
Makiko Uchida
2
,
Mitsuru Yamamoto
3
,
Yuichi Umezu
4
,
Kenji Hachisuka
2
1大牟田労災病院リハビリテーション科
2産業医科大学リハビリテーション医学教室
3福島労災病院リハビリテーション科
4聖マリア病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Omuta Rosai Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health
3Department of Rehabilitation, Fukushima Rosai Hospital
4Department of Rehabilitation, St. Mary's Hospital
キーワード:
四肢切断
,
高齢者
Keyword:
四肢切断
,
高齢者
pp.77-80
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109671
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
澤村ら1)によれば,四肢切断は0.02%ときわめて稀で,その臨床報告も少ない.Shinら2)や,Shawら3)は,義足や義手の訓練により歩行が自立し,日常生活動作も自立した三肢切断症例を報告している.Garrisonら4)は,末期腎不全の四肢切断患者で訓練により歩行や移動に改善を認めたが,完全には自立できなかった3症例を報告した.四肢切断者のリハビリテーションは,義足や義手の作製,訓練方法,心理的サポートなど,きわめて困難と考えられる.
一方,急性動脈閉塞症とは動脈が何らかの原因によって突然に閉塞する場合を言い,その原因には動脈塞栓症,動脈血栓症,血管損傷,医原性などがあるが,主に塞栓および血栓によるものが多い.動脈が急性閉塞を起こすことにより,その末梢支配領域が虚血にさらされ,急速な組織虚血の進行は四肢切断に至ることもあり,時には生命予後に関わることもある5).われわれは,原因不明の急性動脈閉塞症による高齢四肢切断者で,義足の工夫と訓練により義足装着と室内歩行が自立した症例を経験したので報告する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.