Japanese
English
特集 リハビリテーション工学の最近の進歩
訓練機器
Training device.
田村 俊世
1
Toshiyo Tamura
1
1国立療養所中部病院長寿医療研究センター
1National Institute for Longevity Sciences
キーワード:
等速性(アイソキネティック)運動
,
インピーダンス制御
,
ヴァーチャルリアリティ
Keyword:
等速性(アイソキネティック)運動
,
インピーダンス制御
,
ヴァーチャルリアリティ
pp.503-507
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109505
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
訓練機器としては,機能訓練,日常動作訓練のための機器などがあげられるが,ロボティックスやヴァーチャルリアリティ技術などの最新の技術を駆使した新しいリハビリテーション機器が開発されている.
ロボティックスではいわゆるインピーダンス制御技術を用いた訓練機器が開発されている.ロボットが外部環境から反力を受けるとき,目的とする作業に適したかたさ,やわらかさが生じるように制御する方式である.力と加速度,速度,変位の比に対応する慣性,粘性,剛性パラメータを目標値に保つ制御である.アクチュエータで駆動される機構が対象(ここではヒト)に作用を及ぼすときに,各種センサを用いて対象に加わる変位,速度,加速度を検知し,対象との間の相互作用力がある関係を維持するように,アクチュエータの発生力を制御する.これらの訓練機器は,治療訓練と同時に訓練効果の計測ができることが特徴である.この制御法を用いた脳卒中片麻痺患者の上肢,下肢の早期リハビリテーションのための訓練機器を紹介する.
次にヴァーチャルリアリティ技術を導入した訓練機器について述べる.ヴァーチャルリアリティ(仮想現実感)とは,コンピュータを利用して,実際の現象と区別のつかない現象を構築する手法,構築された現象をいう.あたかも馬上で運動しているような乗馬療法シミュレータや美しい景色のなかで歩行訓練を行うなどの機器が開発されている.
最後にゲーム機器を応用したリハビリテーション機器について触れる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.