Japanese
English
短報
視覚障害を伴う重度痴呆性高齢者に対する擬似会話システムの開発と導入の試み
Development and Introduction of an automatic answering system to a severe dementia elderly person with vision disorder
老川 大輔
1
,
中島 一樹
2
,
米満 里美
1
,
楠 加銘子
3
,
東 祐二
1
,
藤元 登四郎
1
,
伊藤 朗子
4
,
金 星一
2
,
田村 俊世
2
Daisuke Oikawa
1
,
Kazuki Nakajima
2
,
Satomi Yonemitsu
1
,
Kanako Kusunoki
3
,
Yuji Higashi
1
,
Toshiro Fujimoto
1
,
Akiko Ito
4
,
Sung-I11 Kim
2
,
Toshiyo Tamura
2
1(社)八日会藤元早鈴病院
2国立療養中部病院長寿医療研究センター
3介護老人保健施設フォレスト熊本
4(社)八日会介護老人保健施設グリーンホーム
1Fujimoto Hayasuzu Hospital
2Department of Gerontechnology, National Institute for Longevity Sciences
3Forest Kumamoto
4Green Home
キーワード:
疑似会話システム
,
重度痴呆性高齢者
,
在宅介護
Keyword:
疑似会話システム
,
重度痴呆性高齢者
,
在宅介護
pp.983-987
発行日 2003年10月10日
Published Date 2003/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100911
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はじめに
痴呆性高齢者では,訴えの繰り返しや徘徊などに代表される問題行動がみられることが多く,さらに視覚障害や聴覚障害が加わることにより周辺状況の把握が困難となり,不安を生じる.このような痴呆性高齢者の多くの訴えに対しては丁寧に対応することが望まれるが,専門施設であっても大きな負担となり,在宅では介護者が1人であることが多いため,丁寧な対応のために時間的な束縛を生じる.食事や排泄といった直接的な介護に加えて,昼夜を問わず発せられる訴えが精神的な負担を招く要因であると言える.
痴呆性高齢者と介護者の両者のQOL(quality of life)を向上させる目的で,支援機器の開発や利用が試みられている.例えば,安田らは同じ行動を繰り返すアルツハイマー病患者にIC Recorderを用いて1日6回の音声指示を出力することにより,繰り返しの行動が消失した例や1),記銘力障害者の服薬などの支援として,IC Recorderを用いた環境と音響の自動記録支援機器の有効性などを報告している2).
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