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特集 心筋の電気生理
心筋の閾膜電位(ことにslow responseにおける)について—電位reconstructionによる一考察
On the threshold membrane potential of cardiac muscle with special reference to the "Slow response".--A study by means of computational reconstruction of action potential
松田 幸次郎
1
,
田村 俊世
2
Kojiro Matsuda
1
,
Toshiyo Tamura
2
1東京女子医科大学心臓血圧研究所
2東京医科歯科大学医用器材研究所
1Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
2Institute for Medical & Dental Engineering, Tokyo Medical & Dental University
pp.939-943
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203255
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心筋の活動電位はイオン説によれば膜のイオン電流iが膜電位Vと時間tとの関数として規定せられ変化するために発現すると解釈せられる。イオン電流の膜電位と時間に対する関数関係はvoltage clampの実験にもとづいて得られる。心筋のvoltage clampの実験については本特集で別にくわしく述べられているように近年その実験が次第に着実に行なわれるようになりそのデータも正確になって来た。しかしvoltage clampの実験は常に容易なものとはいえずまたデータの解釈に問題がないわけではない。ゆえにそれにもとづいて出されたイオン電流のデータをチェックする方途が一応必要となる。一般的にいえば得られたイオン電流の実験値を膜電位方程式CdV/dt=—Σi (Cは膜容量,Vは膜電位,tは時間,Σiはイオン電流の総和)に適用して得られた電位の経過を実験値と比較することが試金石となる。実験で得られたiの式は多くの変数を含むので上式の解は数値計算によらねばならぬ。近年このような数値計算を電子計算機で実施して活動電位を再建,再現(reconstruct)する研究として2つの着目すべき報告が出た。
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