Japanese
English
Bedside Teaching
非侵襲的生体モニター
Non-invasive Biomedical Monitor
田村 俊世
1
Toshiyo Tamura
1
1国立療養所中部病院長寿医療研究センター
1National Institute for Longevity Sciences
pp.175-180
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901848
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はじめに
測定対象者に対し,非侵襲,無拘束で生体情報を取得する試みが広く行われている.特に術中,ICUやCCUでは,侵襲によるストレスを防ぐために積極的に非侵襲モニターが使われてきている.ここでは最近の非侵襲モニター機器について触れ,さらに新しい試みとして無意識のうちに生体諸量が測定できるシステムについても紹介する.
非侵襲モニターは,光を用いて古くから試みられている.光を生体組織に照射し,透過光や反射光を測定する光電脈波法は,1938年Hertzmanによって開発された1).組織と血液での光の吸収によって脈波を検出でき,心拍数を求めることや末梢の血行動態などが観察できたが,定量的に血流や血管の硬さに関連する指標となるには至らなかった.光電脈波は,装置が簡便であるので容積脈波法として指式血圧計や連続血圧計のトランスデューサ部として用いられている.さらに近年,光電脈波に重畳している呼吸成分をデジタルフィルタの技法で分離し,心拍と呼吸数を測定する試みもある2).生体の光学特性を利用した非侵襲機器は数多く開発されている.ここではそれらを含めて,循環系呼吸系の非侵襲センサ・トランスデューサについて述べる.
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