Japanese
English
実践講座 精神発達障害のリハビリテーション
3.知的障害の早期療育―集団形式と個別化されたプログラム
Early intervention for autism with intellectual disabilities: Individualized programs in a group.
小川 淳
1
,
本田 秀夫
2
Jun Ogawa
1
,
Hideo Honda
2
1横浜市北部地域療育センター通園施設
2横浜市総合リハビリテーションセンター児童精神科
1Yokohama North Area Habilitation Center for Children
2Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
自閉症
,
早期療育
,
個別プログラム
,
集団
,
感覚刺激駆動性
Keyword:
自閉症
,
早期療育
,
個別プログラム
,
集団
,
感覚刺激駆動性
pp.243-247
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109442
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
子どもの「知的障害」というと,多くは「精神遅滞」を連想するであろう.では,その「療育」というと,どのようなイメージが浮かぶであろうか.遅れているのだから,実際よりも年齢の低い子どもとして扱って,低いレベルの課題を与えればよい,となるであろう.しかし,「知的障害」とは「知能の発達に遅れがある」という意味でしかなく,包括的な概念である「精神発達障害」からみれば,その一側面をなすに過ぎない.精神発達を「知能」のみでみるのは,運動発達を「筋力」だけでみるのと同じように不十分である.運動発達の量的な異常だけでなく質的な異常も問題となる脳性麻痺があるように,精神発達にも量的な異常と質的な異常とがある.主として後者が問題となる代表格が自閉症である.知的障害ではあっても自閉症あるいは典型的ではなくともその特徴がみられる場合,単に課題のレベル設定を下げ,指導のペースを落としただけでは療育は失敗する.
精神発達障害の早期療育について紹介する本シリーズでは,発達障害のなかでも早期発見および療育指導が困難であると思われてきた自閉症を中心に据えている1).第3回のテーマは「知的障害の早期療育」であるが,内容は主として知的障害を伴う自閉症の早期療育について述べる.本稿の内容は,具体的な療育手技を列挙するものではない.精神発達の量的異常と質的異常との両者に的確に対応するための,療育の基本的な考え方を中心に述べる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.