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講座 遺伝子治療―21世紀に消える?リハビリテーション関連疾患
3.脊髄小脳変性症
Spinocerebellar degeneration.
志賀 裕正
1
,
糸山 泰人
1
Yusei Shiga
1
,
Yasuto Itoyama
1
1東北大学大学院医学系研究科神経科学講座神経内科学分野
1Division of Neurology, Department of Neuroscience, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄小脳変性症
,
遺伝子診断
,
治療
Keyword:
脊髄小脳変性症
,
遺伝子診断
,
治療
pp.239-241
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109441
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はじめに
脊髄小脳変性症(Spinocerebellar degeneration;SCD)は,緩徐進行性に躯幹,四肢失調による歩行障害や構音障害を呈する神経変性疾患の総称である.日本には現在約20,000人の患者がいると考えられており,そのうち約6割がオリーブ橋小脳萎縮症(olivopontocerebellar atrophy;OPCA),皮質性小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy;CCA)といった孤発性で,残り約4割が遺伝性である.
近年の遺伝子技術の進歩に伴って,1993年,Orrら1)によってはじめて遺伝性SCDの遺伝子異常が明らかにされて以来(spinocerebellar ataxia type 1;SCA1と命名),現在はSCA142)まで同定されており,さらに新しい遺伝子異常が発見されている3).遺伝子異常と発症機序に関しては未だ不明な点が多いが,翻訳領域での3塩基リピートの異常な伸長の結果,異常に伸長したポリグルタミンが細胞毒性を示すと考えられている4).
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