書評
村田信男・川関和俊・伊勢田堯 編集―精神障害リハビリテーション 21世紀における課題と展望
井上 新平
1
1高知医科大学神経精神医学教室
pp.183
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109427
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差別化の時代におけるリハビリテーションスタッフの摸索
20世紀におけるわが国の精神医療は,その後半に入ってはじめてシステムと呼べるものがでてきた.1950年の精神衛生法と,その後の精神病院を中心とした体制である.今でこそ精神病院批判が盛んだが,当時は病院の治療を受けられることが幸せという時代であった.その後,医療は福祉をとりこみ,保健をとりこみ,あるいはそれらと協力・並存,そして時に対立しながら現在を迎えている.保健や福祉が本格的に参入してきたのは,ほんの10年あまりである.要するに,精神医療の歴史はまだまだ浅い.
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