Japanese
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綜説
エコー 21世紀への展望
The Evolution of Echocardiography, 2000
木佐貫 彰
1
,
鄭 忠和
2
Akira Kisanuki
1
,
Chuwa Tei
2
1鹿児島大学医学部保健学科
2鹿児島大学医学部第一内科
1School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kagoshima University
2First Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Kagoshima University
pp.1121-1129
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901994
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はじめに
心エコー法が循環器疾患に対する非観血的検査法として登場したのは1954年頃である1).それ以来その診断能は飛躍的に向上した.Mモード心エコー法に始まり断層心エコー,コントラスト心エコー法,心筋コントラストエコー法,パルスドプラ法,連続波ドプラ法,カラードプラ法などが登場した.最近ではharmonic imaging, ana—tomic M mode, integrated backscatter, colorkinesis,組織ドプラ法,digital echocardiogra—phy,三次元心エコー法など枚挙にいとまがない.世界のだれもが超音波の技術がこれほど進歩するとは想像し得なかったであろうし,また今後来る21世紀にどのように進歩していくかを予想することは難しい.
一方,これら技術の進歩の背景に商業主義的な動機づけがあることは否めない.技術の進歩により新しい概念が生まれ,多彩な診断情報が得られることは歓迎すべきことである.しかし,概念のみが一人歩きすると,誤診を招く危険性もある.誤診を防ぐためには今まで築き上げてきた病歴,聴診などの理学的所見,レントゲン,心電図,超音波診断技術などを大切にする必要がある2,3).どのような時代になっても医療の基本は患者個人の病気を正確に診断し,よりよく治療することである.
ここでは今後も発展が期待されるいくつかの非観血的超音波診断技術の最近の進歩についてふれ,21世紀への展望としたい.
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