Japanese
English
短報
数学式を用いた脳卒中片麻痺患者の立位重心移動面積の算出
Calculation of the Area of Center of Gravity Shifting on Standing in Hemiplegic Patients using Expression of Mathematics.
森岡 周
1,2
,
高田 祐
3
,
宮本 謙三
2
,
坂上 昇
2
,
舟橋 明男
4
Shu Morioka
1,2
,
Yu Takata
3
,
Kenzo Miyamoto
2
,
Noboru Sakanoue
2
,
Akio Funahashi
4
1高知医療学院理学療法学科
2高知大学大学院教育学研究科
3愛宕病院リハビリテーション科
4高知大学教育学部
1Department or Physical Therapy, Kochi School of Allied Health and Medical Professions
2Graduate School of Education, Kochi University
3Department of Rehabilitation, Atago Hospital
4Faculty of Education, Kochi University
キーワード:
数学式
,
脳卒中片麻痺
,
重心移動面積
Keyword:
数学式
,
脳卒中片麻痺
,
重心移動面積
pp.175-178
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109424
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はじめに
人間のバランス能力を定量的に測定できる機器として重心動揺計が開発され,今日,理学療法領域においても盛んに臨床応用されている.その分析手法としては,単位時間内の足圧中心移動軌跡を計測する静的にバランスの安定度をみるものが主である1,2).一方,クロステスト3-5)に代表される前後左右へ随意的に重心移動した際の移動距離を計測する動的なバランスの保持能力をみるものも分析手法として有用であると考えられている.さらに,最近,中枢神経系疾患を中心とした疾病の特性を,バランス障害の観点から分析する手法として,前者の静的な安定度と後者の動的な保持能力の相対的関係から評価するもの6)も報告されている.
こうしたいくつかの測定法は,特に中枢神経系疾患に対して,バランスの障害度の分析,あるいはリハビリテーションの効果判定を行う有用な方法7-16)であるといえるが,これらは,前後左右への移動距離(cm)を指標にしたものであり,動的な重心移動範囲を面積(cm2)化したものではない.重心移動範囲を面積化することにより,支持基底面(足底面積)との比率計算が可能であり,より詳細な重心移動能力の程度を判定できると考える.
そこでわれわれは,重心動揺計を用いた動的なバランス能力を評価する手法として,数学式を使って随意的な重心移動範囲を面積化する方法を考案した.本研究の目的は,この考案方法を脳卒中片麻痺患者(以下,片麻痺患者)に対して用い,健常成人と比較することによって,片麻痺患者の重心移動面積の障害度を明らかにすることである.
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