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研究と報告
在宅肺気腫患者のADL障害を詳細に捉えるための新しい在宅ADL評価表の開発
New ADL Scale at Home (Pulmonary Emphysema-ADL; P-ADL): to Evaluate Disability in ADL for Patients with Pulmonary Emphysema.
後藤 葉子
1
,
上月 正博
1
,
渡辺 美穂子
1
,
佐藤 徳太郎
1,2
Yoko Goto
1
,
Masahiro Kohzuki
1
,
Mihoko Watanabe
1
,
Tokutaro Sato
1,2
1東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻内部障害分野
2国立身体障害者リハビリテーションセンター
1The Section of Internal Medicine and Disability Prevention, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
肺気腫
,
在宅ADL
,
P-ADL
Keyword:
肺気腫
,
在宅ADL
,
P-ADL
pp.863-868
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109316
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はじめに
日常生活活動(activities of daily living;ADL)の評価は,患者の日常の生活状態・能力を知るうえできわめて重要であり,的確な評価がなされることにより,初めて患者に対する適切な治療手段や援助内容が明確化されてくる.内部障害である肺気腫では,脳卒中や脊髄損傷などの肢体不自由障害とは異なり,労作時の呼吸困難感が最大のADL阻害因子となる.したがって,肺気腫患者のADLの評価には,動作自体の遂行能力の有無だけでなく,諸動作に要する時間的要素・遂行頻度,動作時の呼吸困難感,酸素吸入状況なども加味したADL評価表の作成が望まれるが,本邦では標準的な評価表は未だ確立されるに至っていない.
そこでわれわれは,土居らによる呼吸不全患者を対象とした院内ADL判定尺度表1)を一部改定し,われわれが先行研究2)で明らかにした在宅肺気腫患者のADL障害をより詳細に評価するために,新しい在宅肺気腫患者用ADL評価表(pulmonary emphysema-ADL;P-ADL)を作成し,肺気腫患者に試行した.さらに,この結果を運動機能,呼吸機能,QOL(quality of life)の評価結果を通して,従来より標準化されているADL評価を用いた場合と比較し,P-ADLが肺気腫患者のADL状態を詳細に把握するために有用であるか検討した.
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