Japanese
English
研究と報告
表面電極を用いた運動単位活動電位(MUAP)の分析―MUAPの発火点と表面電極との距離が及ぼす影響
Analysis of Motor Unit Action Potentials (MUAP) Using Surface Electrodes: Effects of Distance between Firing Portions in MUAP and Surface Electrodes.
竹中 晋
1
,
椿原 彰夫
1
,
明石 謙
1
Susumu Takenaka
1
,
Akio Tsubtahara
1
,
Ken Akashi
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School
キーワード:
表面電極
,
運動単位活動電位
,
spike-triggered averaging法
Keyword:
表面電極
,
運動単位活動電位
,
spike-triggered averaging法
pp.857-862
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109315
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
表面筋電図は,検索したい筋の活動電位を表面電極を用いて導出するもので,動作分析や不随意運動の評価の際に多く使用されてきた.また,筋力の推定や筋疲労の評価に用いられるなど,活用範囲も広がってきている.しかし,皮膚表面上から筋全体の活動を観察しているために,これまでは個々の運動単位活動電位(motor unit action potential,以下MUAPと略)の定量的分析に用いられることは少なかった.
MUAPの分析については,針電極を用いることが多く,日常の針筋電図検査においてはMUAPの振幅や持続時間,位相数などが解析される.針筋電図で分析する際にはMUAPのパラメーターに影響を与える因子として,フィルター設定に加えて筋線維密度や筋線維の大きさ,MUAPの発火点と記録電極の位置の関係が重要であると言われている6).表面電極により記録したMUAPを定量的に評価しようとする場合にも,いくつかの因子の影響を考慮する必要がある.今回われわれは,その一つとして発火するMUAPと記録する表面電極との距離の関係に着目した.解析にはspike-triggered averaging法1,7)を利用して,表面電極から個々のMUAPを導出し,MUAPの発火点と表面電極との位置関係がMUAPの波形に及ぼす影響について検討した.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.