Japanese
English
特集 整形外科治療―最近の進歩
骨折治療
Recent Advancement in Treatment for Fractures.
佐々木 孝
1
Takashi Sasaki
1
1済生会神奈川県病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Saiseikai Kanagawaken Hospital
キーワード:
閉鎖性整復
,
やや強固な固定(semirigid fixation)
,
髄内釘
,
プレート固定
,
創外固定
Keyword:
閉鎖性整復
,
やや強固な固定(semirigid fixation)
,
髄内釘
,
プレート固定
,
創外固定
pp.731-738
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109290
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
骨折の治療は,1970年代初頭にAO法が普及し,解剖学的で強固な内固定(rigid fixation)が強調されたことに,近年の学問的議論や治療法の原点がある.その後,あまりに強固すぎる固定法の欠点が指摘されるようになった.エンダーピンなどの弾力固定の潮流も一部にはあるが,現在の大勢は,骨折局所を展開しない閉鎖性整復とやや強固な固定(semirigid fixation)に向かっている.
固定材料は髄内釘が四肢のいずれの骨にも適応可能となり,四肢長管骨骨幹部骨折の標準的治療として定着してきた.プレート固定は長管骨の骨幹端部を中心に用いられるようになり,創外固定は橈骨遠位端骨折の不安定型に対してもっとも高頻度に用いられる固定法となっている.創外固定の応用である骨延長は,骨以外の組織も延長されることから,最近では組織延長と呼ばれるが,健常部位での延長が可能なことから,開放骨折の汚染の強い部位を切除して,後に骨延長で欠損の補填をする方法が取り入れられ始めている.
近年,著しい変化を遂げた,あるいは変化しつつある治療法を中心に解説する.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.