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特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
第2章 大腿骨転子部・転子下骨折の手術とリハビリテーション治療,合併症
大腿骨転子部骨折の手術とリハビリテーション治療
Operation and Rehabilitation Treatment of Femoral Trochanteric Fracture
徳永 真巳
1
Masami Tokunaga
1
1福岡整形外科病院
キーワード:
大腿骨転子部骨折
,
骨接合術
,
CHS
,
髄内釘
,
廃用症候群
Keyword:
大腿骨転子部骨折
,
骨接合術
,
CHS
,
髄内釘
,
廃用症候群
pp.688-693
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034070688
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内容のポイント Q&A
Q1 大腿骨転子部骨折における骨接合術の適応は?
高齢者の転子部骨折では,不顕性骨折例を除き,耐術能を有する症例ではほぼ全例が骨接合術の適応となる.人工物置換術も考慮されるが,手術侵襲が大きく難易度が高いため,骨接合術が一般的な治療法である.
Q2 大腿骨転子部骨折における固定方法(CHSと髄内釘)の選択は?
CHSの欠点として,大転子外側壁骨折が術中術後に発生すると著明な変型治癒や骨癒合不全の原因となる.一方,髄内釘手術では同骨折が発生しても髄内釘が受け止めるため変型は起こりにくい.安定型はCHS,不安定型は髄内釘と使い分けるという意見もある.筆者は,より技術を要する不安定型手術に備えて特に使い分けることなく髄内釘手術を推奨している立場である.
Q3 大腿骨転子部骨折におけるリハビリテーション治療は?
廃用症候群を予防するためにも,可能な限り早期に手術を行い,即時荷重訓練を開始することが求められている.高齢者は部分荷重や免荷制限指示の遵守が不可能であるため,整形外科医は全荷重に耐え得る骨接合術を施行しないといけない.

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