Japanese
English
研究と報告
脳幹病変による慢性期摂食・嚥下障害の治療成績
Rehabilitation for chronic dysphagia secondary to brainstem stroke.
尾関 保則
1
,
馬場 尊
2
,
才藤 栄一
1
,
加賀谷 斉
1
,
三串 伸哉
1
,
横山 通夫
1
,
岡田 澄子
2
,
重田 律子
3
Yasunori Ozeki
1
,
Mikoto Baba
2
,
Eiichi Saitoh
1
,
Hitoshi Kagaya
1
,
Shinya Mikushi
1
,
Michio Yokoyama
1
,
Sumiko Okada
2
,
Ritsuko Shigeta
3
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
2藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
3藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Fujita Health University
2Faculty of Rehabilitation, School of Health Sciences, Fujita Health University
3Department of Rehabilitation, Fujita Health University Hospital
キーワード:
脳幹病変
,
摂食・嚥下障害
Keyword:
脳幹病変
,
摂食・嚥下障害
pp.573-577
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101267
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要旨:〔目的〕急性期を過ぎた脳幹病変による摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションの帰結を求めることを目的とした.〔方法〕脳幹病変によって3か月以上摂食・嚥下障害が継続し,当科で入院リハビリテーションを施行した患者19例を対象とした.入院時と退院時の嚥下造影所見と摂食状態の変化を調査し,摂食・嚥下障害臨床的重症度分類を用いて評価した.〔結果〕入院時の摂食・嚥下障害臨床的重症度分類が唾液誤嚥であった症例のうち29%が改善し,食物誤嚥であった症例は82%が改善した.入院時に食物誤嚥であった症例では唾液誤嚥の症例に比べて有意に摂食・嚥下障害臨床的重症度分類の改善がみられた.〔結語〕脳幹病変による摂食・嚥下障害において,発症後3か月で食物誤嚥以上である症例は一定期間の集中的なリハビリテーションで改善の可能性が高いが,発症後3か月で唾液誤嚥である症例は改善の可能性が低い.
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