Japanese
English
特集 リハビリテーションにおける治療法Update
神経・筋障害の治療的電気刺激(TES)
Therapeutic Electrical Stimulation (TES) for Neuromuscular Impairment.
八木 了
1
,
松永 広枝
1
,
田中 賢
2
Ryo Yagi
1
,
Hiroe Matsunaga
1
,
Satoshi Tanaka
2
1古川市立病院リハビリテーション科
2公立那賀病院脳神経外科
1Division of Rehabilitation Medicine, Furukawa City Hospital
2Division of Neurosurgery, Koritsu Naga Hospital
キーワード:
治療的電気刺激
,
経皮的埋め込み電極
,
片麻痺
,
四肢麻痺
,
反射性尿失禁
Keyword:
治療的電気刺激
,
経皮的埋め込み電極
,
片麻痺
,
四肢麻痺
,
反射性尿失禁
pp.249-255
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109184
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
生体に対する電気刺激法の歴史は非常に古いが,20世紀初頭までは経験的,非科学的に臨床で用いられてきた.1960年代になって,脳卒中や脊髄損傷などによる麻痺肢の機能を,電気刺激で補助したり再建しようとする機能的電気刺激(FES)の概念が提唱された頃から,神経・筋障害に対する電気刺激療法の研究は,活発に行われるようになった1).その過程で,電気刺激が生体に与える影響も徐々に解明されつつあり,神経・筋以外の疾患や障害に対する電気刺激療法も試みられるようになってきた.
現在,神経・筋に対する治療的電気刺激(TES)の目的は多岐にわたっており,種々の痛みに対する脳・脊髄・末梢神経への電気刺激,振戦・不随意運動・無動などに対する脳刺激,てんかんに対する治療としての迷走神経刺激,筋萎縮・筋力低下・関節拘縮・痙縮・循環障害・排尿障害などに対する末梢神経・筋刺激などがある.
われわれはこれまで,主に上位運動ニューロンの傷害による痙性麻痺肢に対して,その機能をFESで再建したり,またTESでその機能の向上を図る研究を,主に経皮的埋め込み電極を用いて行ってきた2).今回,これらのうち,TESに関するものの長期成績について検討を加えた.また,表面電極法による神経・筋障害に対するTESの効果や,いくつかの神経内科的疾患に対するTESの経験についても言及した.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.