巻頭言
ヒポクラテスの樹
北村 純一
1
1日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科
pp.215
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109178
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銀杏の木の葉におだやかな夕陽さす晩秋に,都内のある老人保健施設の施設見学をさせていただいた.こまやかな心くばりのいきとどいた生活リハビリテーションと,なによりも笑顔のある家庭的な雰囲気に医の心に触れた思いであった.
帰る時に,施設長の先生が玄関前のアカシアの木を「これはヒポクラテスの樹です」と説明された.ヒポクラテスの誓いで有名な医聖ヒポクラテスは紀元前460年にギリシャのトルコ本土に近いコス島に生誕した.コス島において採取されたアカシアの種の数粒が日本にもってこられ,第何株から分けられた第何代目のヒポクラテスの樹との樹系図が掲示されてた.詳しい説明はそれ以上お聞きしなかったが,ヒポクラテスの樹はその名にふさわしい施設にしか植えられていないと思っている.
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