Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「アイ・ラブ・ユー」―そこに見えるのは“ろう文化”の到達点
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.197
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109171
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聴覚障害教育の世界には,「手話―口話諭争」というのがある.聴覚障害者は手話を使っているのに,ろう学校では口話主体ということで,教育を受ける側のニーズと提供する側の思いが明らかにすれちがっているのだ.聴覚障害者にとっては必要な知識が身につきづらいとされる口話主体の教育に対して,手話を第一言語とする教育が主張され,しかもそれは,教育手法にとどまるものでなく,ろう文化(デフ・カルチャー)を支えるロジックにもなった.言語で民族区分をするなら手話を使うろうあ者を一つの民族としてみなすことができ,したがってそこから一つの文化を立ち上げることができるという思考が生み出されてきたのだ.
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