Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ウイズ・ユー」―障害者には人間を変える力がある
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.1173
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109129
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60年代の障害者と私生児との交流といえば本欄でも取り上げた「サイモン・バーチ」なのだが,奇しくも同じような時期に同じような設定の作品が公開された.その名も「ウィズ・ユー」(監督/ティモシー・ハットン).
10歳のハリエット(エヴァン・レイチェル.ウッド)は一寸変わった子.家族でモーテルを経営しているが,父親は蒸発,母親はアル中,姉はといえば男あそびに夢中ということで,そんな嬉しくもない現実から逃げ出そうと思えばそこに待っているのは空想の世界だ.といっても,家の前の地面を掘って中国へ行くとか,風船の力で空を飛ぶとか,失敗間違いなしのほほえましいものばかり.ある時,アクシデントに見舞われた母と息子がやってきて,しばらくモーテルに滞在することになる.その息子というのが30歳になるリッキー(ケビン・ベーコン).知的障害があり,施設へ行く旅の途中なのだ.
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