Japanese
English
紹介
Behavioural Inattention Test―Conventional sub-testsの紹介とその問題点
Behavioural Inattention Test: Introduction and Coment on Coventional Sub-tests.
平林 一
1
,
稲木 康一郎
1
,
平林 順子
2
,
金井 敏男
3
,
伊沢 真
4
,
市川 英彦
5
Hajime Hirabayashi
1
,
Koichiro Inaki
1
,
Junko Hirabayashi
2
,
Toshio Kanai
3
,
Makoto Izawa
4
,
Hidehiko Ichikawa
5
1リハビリテーションセンター鹿教湯病院臨床心理科
2リハビリテーションセンター鹿教湯病院言語療法科
3リハビリテーションセンター鹿教湯病院理学療法科
4リハビリテーションセンター鹿教湯病院神経内科
5リハビリテーションセンター鹿教湯病院内科
1Department of Clinical Psychology, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
2Department of Speech Therapy, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
3Department of Physical Therapy, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
4Department of Neurology, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
5Department of Internal Medicine, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
キーワード:
Behavioural Inattention Test(行動学的注意障害検査)
,
Conventional sub-tests(通常検査)
,
半側空間無視
Keyword:
Behavioural Inattention Test(行動学的注意障害検査)
,
Conventional sub-tests(通常検査)
,
半側空間無視
pp.873-878
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109059
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はじめに
左半側空間無視の臨床では,ある検査では全く無視がみられないのに,別の検査では明らかな無視が現れ,しかもそれが検査の難易度と必ずしも関係していないという場合が稀ではないため,無視の判定には,適切な検査を数種類組み合わせて行う必要がある.この点,特にヨーロッパ圏を中心に普及しているBehavioural Inattention Test1,2)(BITと略:行動学的注意障害検査)に含まれるConventional sub-tests(通常検査)は,複数の代表的な左半側空間無視の検査で構成されており,先の要件を十分に満たすものと考えられる.また,BIT発表以降も,下位検査間の相関3,4)や,無視による日常の問題行動と検査結果との対応5),新しいスコアリングや指標の開発6),本検査を用いた無視の改善過程7)など,さらに分析が深められている.
鹿教湯病院心理科では,1997年の後半から現在に至るまで,オリジナルの検査図版中の英語を日本語に変えたBIT通常検査を作成し,半側空間無視の評価に用いている.
本稿では,この検査の紹介も兼ねて,実際に通常検査を試用してみたなかから得られた問題点を,いくつかの項目にまとめて述べてみたい.
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