Japanese
English
解説
脳損傷患者に対する神経心理学的評価法
Methods of Neuropsychological Assessment for Brain Damaged Patients.
平林 一
1
,
稲木 康一郎
1
,
平林 順子
2
,
市川 英彦
3
Hajime Hirabayashi
1
,
Koichiro Inaki
1
,
Junko Hirabayashi
2
,
Hidehiko Ichikawa
3
1リハビリテーションセンター鹿教湯病院臨床心理科
2リハビリテーションセンター鹿教湯病院言語療法科
3リハビリテーションセンター鹿教湯病院内科
1Department of Clinical Psychology, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
2Department of Speech Therapy, Kakeyu Hospital Rehabititation Center
3Department of Internal Medicine, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
キーワード:
神経心理学的評価法
,
仮説演繹法
,
包括的検査バッテリー
,
定量的データと定性的データ
Keyword:
神経心理学的評価法
,
仮説演繹法
,
包括的検査バッテリー
,
定量的データと定性的データ
pp.259-265
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108332
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
神経心理学は,かつての大脳病理学に,実験心理学のノウハウが導入されて構築されてきた比較的歴史の浅い分野であるが,昨今の認知心理学の発展や,CTやMRI,あるいはSPECTやPETといった,解剖学的もしくは機能的病巣を検出できる精巧な画像診断機器の開発と連動して,この30年位の間に急速な進展を遂げてきている1).一方,リハビリテーション医療の現場でも,時期を同じくして,脳損傷に随伴する神経心理学的障害の重要性が注目されるようになってきており2),いまや神経心理学的評価は,個々の脳損傷患者にかかわる場合の出発点として,必要欠くべからざるものになった感がある.
このように神経心理学的評価が日常的に行われるようになったのを反映して,種々の検査を解説した論文も増えてきているが,一方,それらを実際に臨床に適用する際の拠り所となる,神経心理学的評価の方法論に関しては,文献も少なく,十分に認識されているとは言いがたい.そこで,本稿では,脳損傷患者に行う神経心理学的評価の実際的側面に関して,特にその方法論を中心に,独自に得られた知見を交えて解説を行う.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.