今月の本
—M. Horváth 編—"Adverse Effects of Environmental Chemicals and Psychotropic Drugs"—Neurophysiological and Behavioural tests, volume 2
西川 滇八
1
1日大公衆衛生学
pp.135
発行日 1978年2月15日
Published Date 1978/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205565
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この書物は,国際労働衛生協会とその評議員会に所属する機能的毒性研究グループの研究集会の記録である.英語とドイツ語のレポートが混っている.
発表者のタイプ原稿をそのままグラビア印刷したものであるが,内容は専門的で高度のレベルであり,3部から成っている.第1部は,医薬品および環境化学物質のヒトに対する影響の研究である.ここには16篇の研究報告が収録されている.その内容は,実験的研究において化学物質による障害発生のおそれのある作用,医薬品と車輛運転に関する検討,とくにexprenololとalcoholの影響,ことに複雑な作業における視覚と運動機能へおよぼすalcoholの作用,注意維持機能に対する作用,一般に使用される医薬品の少量服用時の感覚機能の変化,混合溶剤の行動科学的作用,alcoholおよびその他の有機溶剤蒸気による精神動力学的行動への影響,プラスチック・ボート工場労働者の反応時間に対するスチレン蒸気の影響,ジェット燃料に長期間曝露した労働者の神経系統への影響調査,塩素アルカリ工場労働者にみられた自覚症状と神経生理学的所見との相関関係,水銀蒸気に曝露した労働者の精神心理的検査,レイヨン工場2カ所において行った二硫化炭素に曝露した労働者の精神能力と人格的変化に関する比較研究,ならびに精神障害をおこす物質に曝露した場合の精神心理学的診断の可能性についてなどである.
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