Japanese
English
特集 視覚失認
視知覚の神経生理学
Neurophysiology of Visual Perception
酒田 英夫
1
Hideo Sakata
1
1財団法人東京都神経科学総合研究所
1Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
pp.367-380
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203401
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
網膜から取り込まれた視覚情報は脳の中でどのような処理を受けて意識にのぼる知覚を起こすのだろうか?今から20年ほど前に,HubelとWiesel7)はネコの視覚野でスリットやエッジに反応する細胞を見つけ,これらが知覚の建築用ブロック(building block of perception)であろうと述べた。しかし視覚中枢のニューロンと知覚現象の直接的な対応がつけられたのは,Bishop4)やBarlow2,3)による両眼視差識別細胞や運動方向選択細胞などの研究で立体視や仮視運動のメカニズムが明らかになったのがはじめである。
1970年代になって,より高次の視覚前野や連合野で神経生理学的研究が行われるようになって,色彩の知覚,形の知覚,運動の知覚,視空間の知覚などのメカニズムが次第に明らかになりつつある。そこで今回は視知覚の中枢機序についての最近の話題を拾って紹介する。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.