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はじめに
Williams症候群(以下,WS)は,大動脈弁上部狭窄症などの心血管異常・精神発達遅滞・特有の顔貌(妖精様顔貌elfin face,図1)を呈する症候群として,1961年にWilliamsら33)が報告して以来,この名で呼ばれてきた。1993年に第7染色体11.23領域の半接合体欠失が報告され9,13,28),現在ではこの欠失による隣接遺伝子症候群と考えられている。
この症候群が認知神経科学分野で注日を集めるようになったのには理由がある。精神発達遅滞と言われてきた症状が,実は興味深い特徴を持っことが最近になってわかってきたからである。Bellugiら3~6)は,11~16歳でIQが同程度(50前後)のWSとDown症候群(DS)患者に対して,言語・視空間認知機能をみる検査などを行い,著しい違いを見出した。DSでは全般的に成績が悪いのに対し,WSでは言語課題(語彙力,語形・統語法に関する課題など)の成績が良好で,視空間認知課題(積木課題,模写,線分の傾き認知課題など)では著しい低成績であったと報告したのである。
We reviewed previous reports of cognitive function in Williams syndrome (WS) , focusing on the visuospatial and facial recognition.
WS is a continuous gene syndrome that has a submicroscopic deletion of one copy of chromosome 7, which shows mental retardation clinically.
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