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特集 中枢神経障害のリハビリテーション
トピックス
アルツハイマー病の病因
Etiology of Alzheimer Disease.
奥泉 薫
1
,
辻 省次
1
Kaoru Okuizumi
1
,
Shoji Tsuji
1
1新潟大学脳研究所神経内科
1Department of Neurology, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
アミロイド前駆体蛋白遺伝子
,
プレセニリン蛋白遺伝子
,
アポリポ蛋白E遺伝子多型
Keyword:
アミロイド前駆体蛋白遺伝子
,
プレセニリン蛋白遺伝子
,
アポリポ蛋白E遺伝子多型
pp.1151-1155
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108506
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はじめに
近年,痴呆患者の人口は増加の一途をたどり,なかでもアルツハイマー病の占める割合は大きく,早急な対策が迫られている.アルツハイマー病は今世紀初頭にドイツの医学者であるAlzheimerが報告して以来,主として臨床的,病理学的,生化学的な研究が行われてきたが,その一義的な病因は不明であった.近年,特に,ここ10年間の分子遺伝学(遺伝子解析)の進歩により,これまで明らかでなかったアルツハイマー病(Alzheimer disease:AD)の病因に関連した遺伝子が次々と明らかにとなり,急速な進歩が認められている.
アルツハイマー病の大多数は,明らかな家族歴のない孤発性アルツハイマー病であるが,少数例ではあるが,常染色体性優性遺伝を示す家族性アルツハイマー病(familial AD;FAD)が存在する.また,これらはそれぞれ発症年齢で65歳を境に(欧米では60歳を境とすることも多い)早発型と晩発型とに分類されている.
アルツハイマー病の病因解明という観点から,分子遺伝学的には現在大きく分けて2面からのアプローチが行われている.すなわち,早発型FADでは主として単一遺伝子病としての見地からのアプローチが,孤発性アルツハイマー病,晩発性FADでは主として多因子遺伝学的なアプローチが行われている.
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