病気のはなし
アルツハイマー病
玉岡 晃
1,2
1筑波大学附属病院
2筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻神経病態医学分野
pp.506-512
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103183
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サマリー
アルツハイマー病(Alzheimer's disease,AD)は認知症の原因として最も頻度が高いものであり,大半は原因不明の孤発例であるが,原因遺伝子が同定された家族性ADが少数存在する.また,アポリポ蛋白E(apolipoprotein E,APOE)のε4遺伝子多型がADの危険因子となっている.ADの病態に関してはアミロイドβ蛋白を中心に据えたアミロイド仮説が提唱されており,これに則った新薬の開発,治験が進行中である.ADの診断には形態画像での側頭葉内側の萎縮,機能画像での側頭・頭頂葉を中心とする血流や代謝の低下が参考になる.ADでは記憶障害を中心とする認知機能障害と行動・心理症状がみられるが,前者にはコリンエステラーゼ阻害薬,後者には非定型抗精神病薬などが用いられている.
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