今月の主題 内科医のための痴呆の最新知識
痴呆の予知・予測・予防
アルツハイマー病の原因遺伝子
奥泉 薫
1
,
辻 省次
1
1新潟大学脳研究所神経内科
pp.1935-1938
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905330
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ポイント
●早発型家族性アルツハイマー病では,原因遺伝子として単一遺伝子の点突然変異が明らかとなり,APP,PS-1,PS-2の3つの遺伝子の変異が報告されている.これらの症例は遺伝子診断が可能であるが,アルツハイマー病患者全体からみると極めて少数例である.
●アルツハイマー病の大多数を占める孤発性アルツハイマー病,晩発型家族性アルツハイマー病では,複数の遺伝学的要因が発症に関与している可能性が考えられている.その代表的なものはAPOEであるが,個々人の診断や発症の予測に際しては慎重な考え方が必要である.
●これらアルツハイマー病関連遺伝子の研究は,アルツハイマー病の予防や進行の抑制の試みに発展することが期待されている.
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