Japanese
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特集 中枢神経障害のリハビリテーション
各種疾患のリハビリテーション
HAM
HTLV-Ⅰ Associated Myelopathy: HAM.
山鹿 眞紀夫
1
,
森 修
2
,
高木 克公
1
Makio Yamaga
1
,
Osamu Mori
2
,
Katsumasa Takagi
1
1熊本大学付属病院理学療法部
2熊本託麻台病院
1Department of Central Rehabilitation, Kumamoto University School of Medicine
2Kumamoto Takumadai Hospital
キーワード:
HAM
,
痙性対麻痺
Keyword:
HAM
,
痙性対麻痺
pp.1107-1112
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108500
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はじめに
HAM(HTLV-Ⅰ関連ミエロパチー;HTLV-Ⅰ associated myelopathy)は,ヒトのレトロウイルスの一つである成人T細胞白血病(ATL)を起こすHTLV-Ⅰ(human T cell lymphocytic virus type Ⅰ)によって生ずる慢性脊髄疾患であり,1986年,納らにより発見,命名された1).同じ頃,カリブ海地域でHTLV-Ⅰとの関係が見いだされた熱帯性痙性脊髄対麻痺(TSP;tropical spastic paraparesis)のうちHTLV-Ⅰ抗体陽性のものとHAMは基本的には同一のものと考えられ,総称としてHAM/TSPの名称も使われている2).
HAMはその報告以来,大きな注目を集め,急速に解明が進められているが,現在,根本的治療法はなく,種々の治療法が試みられている3).HAMは基本的に緩除進行性の疾患であり,最終的には車椅子から寝たきりレベルに至り,その経過を通してリハビリテーションの必要性も大きい.
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