Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ロスト・ワールドジュラシック・パーク」―マイノリティ擁護映画として読み替える
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.863
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108477
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作り手の意図を越えて,受け手である私たちが勝手に読み込み,読み替えていくことも,楽しい映画鑑賞方法のひとつである.
たとえば,恐竜エンターテイメントとして,この夏最大級の大ヒットを飛ばした「ロスト・ワールドジュラシック・パーク」.いわずと知れたスピルバーグが4年ぶりに監督した作品で,「ジュラシック・パーク」シリーズの2作目だ.そして,この1作目と2作目の間に作ったのが,つまり前作ということになるが,ナチスのユダヤ人虐殺を描いた「シンドラーのリスト」.エンターテイメント性からはほど遠いゴチゴチのシリアス物だ.両作品は,一見対極の関係にある.しかし,「ロスト・ワールド」は,1作目の続きではなく,むしろ,「シンドラーのリスト」の続きではないのか.
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