Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ロストパラダイス・イン・トーキョー」―在宅知的障害者を軸に,若者たちがほんの少しだけ浮上する物語
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.403
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102048
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「ロストパラダイス・イン・トーキョー」(監督/白石和彌,2010年)は,自閉性障害も併せもつ知的障害者実生(さねお)のセクシュリティの問題から物語が起動する.
ここで注目すべきは「実生(さねお)」という名前.本欄(2008年3月号)で取り上げた「㊙色情めす市場」(監督/田中登,1974年)に登場する在宅の知的障害者の名前も漢字一字違いの「実夫(さねお)」なのであり,それは,1970年代屈指の名作へのオマージュ(敬意)であり,あの時自死の道を選択した「さねお」の再生を企図したものと言えよう.
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