Japanese
English
講座 理学療法の理論
1.理学療法総論
Physical Therapy: Introduction.
水落 和也
1
,
畠中 泰司
1
,
安藤 徳彦
1
Kazuya Mizuochi
1
,
Yasushi Hatakenaka
1
,
Norihiko Ando
1
1横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital
キーワード:
理学療法
,
物理療法
Keyword:
理学療法
,
物理療法
pp.637-643
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108422
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理学療法の歴史
理学療法の歴史については,ミネソタ大学のKottke名誉教授が,昨年(1996年)の日本リハビリテーション医学会学術集会の招待講演「物理医学とリハビリテーション:過去,現在,未来」のなかで詳細に述べられていた1)ので引用させていただく.
痛みや外傷の治療に物理的方法を用いることは人類の歴史とともにあったと言っても過言ではなく,紀元前5000年のスメル人の楔状文字に遺されているという.紀元前2500年からのギリシャ時代ではヒポクラテスの医学校で,外傷や疾病の治療に温熱療法,水治療法,マッサージ,ストレッチ,運動療法,光線療法,しびれエイによる電気治療などが用いられ,ローマ時代においてもこのような物理医学は発展し,清い水が体内の毒物を除去すると信じられ,温泉療法も盛んになった.温泉療法はヨーロッパ,アフリカ,アジアの温泉のある地域で発展し,18世紀まで盛んであったが,このような物理医学の発展は異教徒の生活習慣,信条を抑圧するキリスト教徒の信仰療法にとって変わられ,温泉療法以外は下火となる.
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