Japanese
English
研究と報告
中手指節関節尺側偏位に対するスプリントと関節保護法の3次元動作解析装置を用いた検討
Evaluation of Splint and Joint Protection for Metacarpophalangeal Ulnar Deviation using Three-dimensional Motion Analysis.
野々垣 学
1
,
根本 明宜
2
,
澤中 眞弓
3
,
水落 和也
3
,
安藤 徳彦
2
Manabu Nonogaki
1
,
Akinobu Nemoto
2
,
Mayumi Sawanaka
3
,
Kazuya Mizuochi
3
,
Norihiko Ando
2
1横浜市立港湾病院リハビリテーション科
2横浜市立大学医学部リハビリテーション科
3横浜市立大学医学部附属浦舟病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Yokohama City Kowan Hospital
2Department of Rehabilitation, Yokohama City University School of Medicine
3Department of Rehabilitation, Yokohama City University Urafune Hospital
キーワード:
3次元動作解析
,
慢性関節リウマチ
,
MP関節尺側偏位
,
スプリント
,
関節保護法
Keyword:
3次元動作解析
,
慢性関節リウマチ
,
MP関節尺側偏位
,
スプリント
,
関節保護法
pp.291-295
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109192
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はじめに
以前より慢性関節リウマチ(以下,RAと略)患者に対して,関節保護法,スプリントの必要性が言われており1,2),関節保護法の指導やスプリントの作製がされてきた.関節保護法やスプリントがRA患者にとって適正であるかどうかという評価を行うには,長期的な関節変形や,筋力,ADL能力の変化にて判断する必要がある.しかし,指導されるべき関節保護法が正しいものであるか,また作製されたスプリントが適切に矯正・保護しているかという情報は,関節保護法の指導を行ったときや,スプリントを作製したとき,すぐその場に必要な情報である.診療場面において,その効果について客観的な評価を行うことは困難で,その手段を示した報告は少ない.また,関節保護法は病態に応じて指導されるものの,指導内容は基本的な原則に基づくものであり2-4),関節保護法の一つ一つの動作が運動学的に関節保護になることは証明されてはいない.
ところで近年,3次元動作解析装置の発達は著しく,日常診療のなかで使用するにも有効な診断・評価機器になりつつある.3次元動作解析装置は主に歩行分析に利用されているが,歩行分析のみならず,上肢・手指の動作解析にも有効であろうと考える.3次元動作解析装置を上肢手指の解析に利用した文献は散見されるが,リハビリテーションの分野で臨床応用された文献5-7)は少ない.
そこで今回,われわれはRAの関節保護法およびスプリントの効果を見るため,関節保護法の一つとして一般的に指導されているふきん掛け動作について,当院でしばしば処方されているスプリントを使用して,その装具装着による効果について,3次元動作解析の技法を用いて検討した.
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