書評
武智秀夫,明石謙 著―装具第3版
川村 次郎
1
1大阪労災病院リハビリテーション診療科
pp.412
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108369
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私の本棚には武智秀夫,明石謙共著の義肢装具の本が10冊近く並んでいる.もっとも古いのは1968年初版の“義足”であり,岡山大児玉教授の監修,岡山大講師の武智・明石の共著になっていた.その後,1969年の“装具”,1972年の“義手”が続いて出版された.これら3冊の初版が出版された頃は,義肢装具学の日本語の単行本がなく,理学療法士養成校の義肢装具学を担当していた私も,自分でテキストを作って学生に配布していたので,早速教科書として使わせてもらい大いに助かった記憶がある.その後3冊の本は増刷と改版を重ねて,1991年には“義足”と“義手”が1冊にまとめられて“義肢”になり,今回“装具”第3版が出版された.このように共著者による複数の本が30年近くにわたって版を重ねることはわが国では珍しいことであり,本シリーズの価値を示す何よりもの証拠であろう.現在の日本義肢装具学会の前身である義肢装具研究同好会の発足が1968年であるから,これら3冊の本は文字通り日本の義肢装具学の発展とともに歩んできたと言っても過言ではない.
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