書評
武智秀夫 著―義肢装具とリハビリテーションの思想
大橋 正洋
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.320
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108080
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本書の体裁は,B6版小型のペーパーバックである.ページを開くと,エジプト古代の壁面レリーフや中世の銅板画など,義肢・装具あるいは身体障害者を記録した歴史的な図版の数々が目に飛び込んでくる.巻末には,人権思想と技術の進歩を対比させたユニークな年表が掲載されている.一見して本書は,医学的解説書の範囲を超えていることが分かる.
著者の武智秀夫先生は,現在吉備高原リハセンター院長として多忙の毎日を過ごしておられる.先生は今までの35年間,整形外科医として肢体障害者の医療に携わってこられた.特に義肢および装具のエキスパートとして高名である.本書は,国際障害者年に医歯薬出版より発刊されたものに加筆し体裁を新たに出版された.このことからも,本書の主題が先生にとって重要であることが分かる.
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