巻頭言
リハビリテーション医学教育の必要性
高木 克公
1,2
1熊本大学医学部整形外科
2熊本大学医学部附属病院理学療法部
pp.301
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108344
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私達,臨床系大学教官の使命は,研究,教育,診療の3本柱から成り立っていることは理解,承知しているところである.ところで何か医師について問題が起こると,多くの立場の人達から医学教育に大きな欠陥があると指摘される.何分,教育には思いのほかエネルギーがいるのに,それが正当に評価されないことから,いきおい研究と診療,ことに研究に力を入れることになる.
さて診療すなわち現代医療の現況について考察する.近代医学という学問は,感染症という原因のはっきりした疾患群を標的として,これを直接的に治癒せしめることができたことにより,医学・医療の勝利を獲得したとして誇ってきた.そして今なお,感染症疾患群治癒という方式を,現代医療の基本であるかのように引きずってきている.そして疾病構造が根本的に変化してきているところを認識はしていても,無視し続けている.
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