特別記事
在宅における「がん」のリハビリテーション―その必要性と可能性
松本 真以子
1
,
辻 哲也
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.962-967
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102651
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「がんリハ」とは
早期診断・新しい治療など医療技術の進歩により、がんの5年生存率は改善*1する一方、罹患率は増加している*2。その結果、がんの治療を終えた、あるいは治療を受けている「がん生存者」が急激に増加しつつあり、1999年末で298万人であったものが、2015年には533万人に達すると予測されている(いわゆる「2015年問題」)。“がんは不治の病”であった時代から、“がんと共存”する時代になってきたと言える*4。
そうしたなか、欧米ではかねてよりがん治療の重要な一分野として位置づけられているリハビリテーション(以下、リハ)の重要性が、日本でも2003年ころから指摘されるようになった*5・6。それ以降、がんのリハは徐々にひろまり、積極的に取り組まれるようになってきた。今年「がんのリハビリテーションガイドライン」も出版され、そのエビデンスも示されている*7。
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