Japanese
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講座 航空宇宙医学における廃用症候群
4.心肺機能の廃用性症候群の発現―ベッドレスト研究を中心として
Syndrome from Disuse of Cardiopulmonary Functions: On Results of Prolonged Bed-rest Study.
鈴木 洋児
1
Yoji Suzuki
1
1東京大学医学部保健管理学教室
1Department of Health Administration, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
キーワード:
起立耐容能
,
Delta効率
,
最大酸素摂取量
,
トレーニング
Keyword:
起立耐容能
,
Delta効率
,
最大酸素摂取量
,
トレーニング
pp.333-339
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108351
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はじめに
身体の組織は適度な過剰刺激(負荷)のないまま長期間放置されれば,その組織自体が本来持つ機能の低下が続き,それに伴い漸次萎縮する.その結果,器官は運動など外部からのストレッサーに対しストレス機能を十分果たせなくなり,身体の恒常性が低下して,廃用性症候群が現れる.
心疾患の手術や治療後,身体不活動の典型である長期ベッドレスト(BR)は臨床上のrisk factorsを増すというThompson30)の観察が,心血管系の廃用性症候群の初めての認識である.その後,ヒトを長期ベッドレスト(BR)に暴露すると,基礎代謝量,心容積,起立耐容能,最大酸素摂取量(VO2max)のいずれも著しく減少することが確かめられてきた12).
本稿では,われわれが,1990年から1996年(ただし,1996年の結果は検討中)まで,6次にわたり実施してきた20日間のBR(BR-20日)研究12)の結果を踏まえ,身体不活動と心肺機能の廃用性症候群につき考察する.
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