巻頭言
リハビリテーション医にサブスペシャリティは必要か
長屋 政博
1
1国立療養所中部病院リハビリテーション科
pp.597
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108141
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あるリハビリテーション専門医より「君のサブスペシャリティは何か」と質問されたことがあります.その時すぐにこの意味するところが理解できず,少し考えこんでから“やはりリハビリテーションです”と答えたように思います.なぜそう答えたかというと,私は気が多いせいか,脳卒中,脊髄損傷,切断,脳性麻痺のリハビリテーションも面白いと思っているし,嚥下障害のリハビリテーションも興味あるし,義肢装具や動作解析は治療学とは違った意味で興味があるといった具合で,自分としてもどれが得意分野であるか決定することができなかったからです.
リハビリテーション医がごく限られた分野だけに興味を持ち,かつ追求していくことはリハビリテーション医学の本質からそれていくものと思います.大学のなかで研究のみ行っているものならまだしも,一般病院でリハビリテーション医療に携われば,脳卒中,脊損,心筋梗塞などほとんどの診療科に関わる問題に直面しなければならないことになります.これらの問題に対応していくのが,リハビリテーション医の仕事であり,幅広い知識が必要であると思います.
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