Japanese
English
短報
左半側空間無視患者の線分二等分検査の所要時間の検討
Time Required for Line Bisection in Patients with Left Hemispatial Neglect.
平林 一
1
,
坂爪 一幸
1
,
平林 順子
2
,
遠藤 邦彦
2
,
宮坂 元麿
3
Hajime Hirabayashi
1
,
Kazuyuki Sakatsume
1
,
Junko Hirabayashi
2
,
Kunihiko Endo
2
,
Motomaro Miyasaka
3
1リハビリテーションセンター鹿教湯病院臨床心理科
2リハビリテーションセンター鹿教湯病院言語療法科
3リハビリテーションセンター鹿教湯病院神経内科
1Department of Clinical Psychology, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
2Department of Speech Therapy, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
3Department of Neurology, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center
キーワード:
左半側空間無視
,
pacingの障害
,
線分二等分検査
Keyword:
左半側空間無視
,
pacingの障害
,
線分二等分検査
pp.1173-1176
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106967
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はじめに
左半側空間無視(以下,左USNと略)を有する患者では,線分二等分検査で単に二等分点が右にずれるだけでなく,線を見て印をつけるまでの過程がきわめて性急に行われてしまうことが少なくない.健常者にみられるような,鉛筆を線の中心付近に置き,左右の長さが同じになるように調整しながら印をつけていく行動とは対照的に,線分を提示するやいなや性急に印をつけていってしまう様子は非常に印象的であるが,意外にも従来の線分二等分検査の研究では全く取り上げられてきていない.
我々は,右半球損傷例において動作を意識的にゆっくりした速度に統制できない現象が出現することを指摘し,これを「pacingの障害」と呼び,検査法や責任病巣について検討を行ってきた1).今回,先に述べた線分二等分検査における性急さも,左USNの中で,このpacingの障害を合併した症例にのみ出現するという知見を得たので報告する.
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