Japanese
English
特集 不随意運動
脳卒中の不随意運動
Involuntary Movements caused by Cerebrovascular Diseases.
佐光 一也
1
,
伊藤 直樹
1
Kazuya Sako
1
,
Naoki Ito
1
1中村記念病院神経内科
1Department of Neurology, Nakamura Memorial Hospital
キーワード:
脳卒中
,
脳血管障害
,
不随意運動
Keyword:
脳卒中
,
脳血管障害
,
不随意運動
pp.215-220
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108325
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はじめに
脳卒中の経過中,あるいは後遺症として不随意運動がみられることは比較的まれである.現在,脳血管障害において不随意運動がどのくらいの頻度で発現するのかについて正確な統計はないが,不随意運動の報告のほとんどは1例ないし数例の症例報告であり,このことからも,まれな症候であることが分かる.
近年,MRIおよびCTなどの普及により,不随意運動を画像上の責任病巣と関連づけることが可能になってきており,以前には原因不明とされていた症例で小さな脳梗塞がみつかることもしばしば経験される.
脳卒中による不随意運動は高齢者に多く,突然あるいは急性に発症するものと,数か月後に発症するものとがある.また,急性期発症の不随意運動は数か月のうちに自然寛解がみられ,薬剤が比較的奏効する例が多いことも特徴と思われる.
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