Japanese
English
特集 不随意運動
不随意運動の分類と診断
Classification and Diagnosis of Involuntary Movements.
進藤 政臣
1
Masaomi Shindo
1
1信州大学医学部第3内科
1Department of Medicine (Neurology), Shinshu University School of Medicine
キーワード:
不随意運動
,
分類
,
診断
Keyword:
不随意運動
,
分類
,
診断
pp.203-207
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108323
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はじめに
不随意運動は文字通り随意的でない運動を広く指す言葉であるが,その内容は多岐にわたる.一般的には不随意運動は「意志によらず自然に生ずる運動」を指す1).しかし“随意的でない”,“意志によらない”,“自然に”という判断が時に難しい.例えば腱反射は“随意的”ではなく,被検者の“意志”とは無関係に起こるが,“自然に”起こるものではなく,検者の腱叩打という操作に反応して筋が収縮するもので,不随意運動には含めない.一方,振戦は代表的な不随意運動の一つであるが,振戦の多くのものは四肢をある肢位に保ったときや動作時だけにみられるものがあり,必ずしも“自然に”起こるとは限らない.
これらの混乱の原因の一つは,下記に示すように不随意運動の概念や定義が必ずしも明確ではないことにある.不随意運動の診断にあたっては,何よりも観察している不随意運動の性状と,病態生理学的な特徴を明らかにすることがまず重要である.
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